<梅澤さんは納得していなかった!>

梅澤さんの態度がなんか変だった。丸善の練習場に「こんばんわ」と言って入ったとき、梅澤さんは中年の男性と練習をしていた。そして、『この人は50代の東京都の代表です』と言った。続けて、『僕は40代の東京都の代表です』と言った。梅澤さんの意図が分からないので、とりあえず、『50代の東京都の代表の方の卓球はさすがに違いますね』と言ったら、50代の東京都の代表の方はにっこりした。

前回ぼろ負けした後で、『東京都の予選はレベルが高くて、僕でも全く出る気にはなりません』と親切なアドバイスをしてくれたのに、今日は前回ぼろ負けした僕が『一般』の予選に出ようとしていることを突っつくようなことを言うのだ。東大系は他人を批判するようなことは言わない。常に気を使って話す。僕と梅澤さんは相性がいいらしく、10年ほど前は、お店に行くたびに議論をしていたのでお互いに気心が知れている。他の人には気を使って話すのだが、僕には、普通の人なら気を悪くするようなことでも言ってくる。僕がちょっとやそっとのことでは気にもしないことを知っているからだ。

梅澤さんは、翌日お礼にお店に伺ったとき、ぼろ負けした理由を何も言わなかったので突っついてきたのだ。負けた方が言い訳になるようなことを言えるはずがない。それが分かっているので、梅澤さんは傷口を突っついてきたのだ。

僕が梅澤さんとの試合でぼろ負けすることはしょっちゅうある。今回に限ったことではない。しかし、今回はラバーに線が入るという事実があった。そして、東京都の予選に個人的に出場するため、梅澤さんに手伝ってもらって準備をし、八王子卓球連盟の会長から許可を得るために電話を入れてもらっている。僕の行動と前回のぼろ負けの間に整合性がないのだ。あまりに不思議だったのだろう。前回の試合が終わると、梅澤さんは僕のラバーをいきなりチェックしている。線が入っているかどうか知りたかったのだ。<続く>

2022/7/13